吉野輝雄

昭和62年に当時の建設省に山崎川が「ふるさとの川モデル河川」に指定された。それを受け、中流域の護岸の修理・橋のかけなおしとともに、住民と山崎川の距離を縮めるために川と川全体が整備しなおされている。鯉を放流し、川の片方の道を遊歩道にし、公園の前に階段を設け川に降りられるようにした。これらの工事のために、桜の木を切り工事が終わるとそこに若い木を植えている。護岸の表面をコンクリートから岩にかえ一般的な都市河川よりも自然の川らしく化粧直しした。しかしながら、このような変身は自然のようにみえて全く自然から程遠いものになっていることを意味している。人間が計画してそのとおりになることを義務づけられた川は本当に自然の川になれるだろうか。